近年の社会においては、知的で豊かな生活が求められており、その達成にあっては機器具、空間、環境、情報等のあり方について新たな観点からの取り組みが不可欠です。また、この背景には、個と全体、多様化の中の調和と統一、開発と保全、不易流行等の複雑な関係網の中で解決策を求める社会的背景があります。産業界にあっても「環境ビジネス」、「ソフト産業」、「知的情報産業」、「感性産業」と言うべき新たな複合領域が形成される環境にあります。
そのため、本専攻では、環境共生社会、高度情報通信社会へ寄与すべき科学・技術の知識や探求力を身につけるとともに、人間性を尊重し感性豊かな発想ができる極めて高次の設計の確立を目指し、専門分野のみならず、「文化・人間科学」、「計画・設計」、「科学・技術」の領域で協調し、芸術工学の高度な設計方法を開発し修得するための教育研究を行います。そして、芸術工学の目標である「技術の人間化」を達成するため、独創的研究を行い、かつ指導的役割を果たし得る総合的な設計能力を備えた人材の育成を目指しています。
本専攻では、21世紀の環境共生社会、高度情報通信社会において芸術工学に求められる新たな役割や社会的ニーズ(幅広く深い教養と総合的な判断力を有し、高次の設計活動を実践する創造性豊かな人材の養成と教育研究の高度化)に、より積極的に、かつ、柔軟に対応できるような教育研究システムを取り入れています。
修士課程においては、「文化・人間科学」に関する知識と研究能力、「科学・技術」に関する知識と研究能力を持ち、感性豊かな「計画・設計」を通して、技術の人間化の観点から社会へ寄与する人材、すなわち高度専門職業人としての高次の設計家を養成します。併せて各講座の協調的研究の深化によって、研究者の養成を行います。所定の課程を修了した者には、修士(芸術工学)の学位を授与します。
博士後期課程においては、総合的教育と、地域研究機関との協同による研修等により、学生のより一層の「課題探求能力」の開発と「国際的学術研究能力」を育て、芸術工学の学問的発展を図り得る研究者の養成と、極めて高次の設計家として社会に貢献し得る高度職業人を養成します。所定の課程を修了した者には、博士(芸術工学)又は博士(工学)の学位を授与します。
教員の詳しい研究活動については、教員紹介をご覧ください。